エーラウのブログ

断捨離も終わって

ゴンチチのtemplo

ゴンチチのtemploを聞いていたら、何とも切なく

過去の切ない思いが次々と蘇る。

 

切ないと言うか、「サウダージ」である。

サウダージ ・・・美しいポルトガル語です。

郷愁、憧憬、思慕、切なさ、愛、などの意味合いを持ちます。 

苦甘く、言い難い思い。思いどおりにならない心のざわつき。

何とも深い意味合いの単語です。

 

初めてのサウダージな気持ちは小学校低学年の時の

そろばん塾でのこと。(心は早熟でした。体は幼児体型)

夏は地黒に加えて日焼けで真っ黒で元気一杯の子供だった私。

そろばん塾では、授業前の卓球が楽しみでスマッシュを

決めていた。。。

授業が始まる前に、ある男の子が新入りで入ってきた。

その子の様子を見て立ちすくんだ私。

私とは違う世界に住んでいると思った。

白い肌。澄んだ大きな瞳。そして長〜〜いまつげ。

栗色の髪。か弱そうな細い肢体。

一目で恋をした。恋というより憧れにも似た、

決して手に届くことのない切ない思い。

一言も口を聞くこともなく、彼はいつの間にか居なくなった。

ちょっと甘い性的なものも感じた。もちろん小学生なので

それは具体的ではなく、心がソワソワしたという感じである。

 

それからも、何度もサウダージを経験してきたが、

切ないその感覚はある種の音楽によって呼び起こされる。

今は、それを懐かしく楽しんでいる。

 

あぁ、まるで「ベニスに死す」の主人公のようではないか?

今は、主人公の中年の芸術家の気持ちが痛いほどわかる。

小学生のくせに、早々とそれを感じていたのかもしれない。

生意気で、元気一杯の真っ黒けの小学生だったのに。

※映画「ベニスに死す」・・至高の美少年に魅せられた芸術家の

 苦悩と恍惚を描いた映画。

生身を超越した「純粋な美の権化」。思えば、そろばん塾に来た

美少年もこんなイメージでした。

「こども」と「大人」の狭間にある短い時期には、

独特の儚い美しさがあります。 それは、人生の

マジックアワーのようなもの。

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