エーラウのブログ

断捨離も終わって

島崎藤村の「破戒」を読み終えて

読み終えた感想は・・・疲れた。の一言です。

でも自然描写が素晴らしく、心に情景が浮かぶ描写が素晴らしい。

その描写は、

「恋を始めて知った人」や「切羽詰まった環境の人」や

「死を間近に感じる人たち」の研ぎ澄まされた感覚のように

思えた。。。作家の想像力はすごいです。

普通の月明かりも神々しく感じられたり、

風や木の葉の音さえ心に沁みたり。

そんな経験は誰にでもあると思いますが、

普段の生活では忘れています。

 

破壊にも出てきた「穢多」という言葉はその後の改訂版では

部落民」と訂正されたそうだが、言葉を変えたって本質は

変わらない。もし読むなら初版本をお勧めします。

 

昔の悪しき風習や規則を今の生徒には教えず

「寝た子を起こすな」論もありますが、私はそれには

反対です。ちゃんと教育してもらって、問題点を

勉強することが大切と考えています。

私も、学校教育の中でしっかりと教えられていなかった

ことが多いと感じています。

中国では中央官僚に都合の悪い歴史は歪曲された教科書で

教育されているそうですが、本当に問題です。

そのうち「天安門事件」も歪曲されたり、なかったことに

されるのでしょうね。

 

そう思うと、いろいろ問題はあるものの、「民主主義」

の大切さをひしひしと感じます。

 

人間の性で戦争も、対立もなくならないと思いますが、

少しでも平和で安心・安全な世界に近づきますように。

 

ところで、「破戒」の結末はちょっとホッとさせられます。

ほんの少しだけ光が見えるような気がします。

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